【議会会派視察報告】1.伊那市~住民主体の自治会活動について

(1) 概況

  1. 荒井区は、住民主体の区政116年の歴史を有する。
  2. 伊那市中心市街地に位置する。
  3. 区民数 2,300人  世帯数 1,300世帯  12の町内会

(2) 事業

  1. 行事件数 64件 (1.2件/週)
    例  行者そば祭り そば発祥の地に因む

(3) 財務

  1. 独立採算 予算3,000万円
    内訳  テナント収入1,158万円/28年度
  2. 区費  8,000円/年  町内会費 10,000円
    他地区では 山林所有等

(4)運営組織

地区下部組織 12町の婦人会・高齢者クラブ・子供会・社協
区長等3名の役員 2名の専従職員  区長手当 4万円/月

(5)課題

  1. 駐車場ビル付き8階建て「いなっせ」の減価償却が今後負担になる恐れ。
  2. 会長等の理事任期1年。激務と高齢化で、後任探し難航。

(6)感想

地域に根差した伝統ある行事展開や事業運営のため行政から独立した区独自の財産管理・運用が1世紀を超す生活の知恵として息づいている。
今後、高齢化の中で、行事や<いなっせ>をいかに継承していくかの重い課題が模索されており、コンビナートに依存の周南市とは別の課題解決が求められる。
なお、信州の名産売り場、温泉、織物体験、グランドゴルフ場等の複合施設には、地元、近隣住民の他、名古屋、東京からの観光客が集まる。
ふるさと納税額が、市民挙げての紹介作戦が功を奏し、60億円と多額にのぼる。とくに新設の温泉券が人気。
これまでは、木曽山脈に遮られていたが、権兵衛トンネル
(全長4,467m)の開通で、木曽と伊那が至近距離となったため、新たな商圏と住民交流の場が発生している。