Category Archives: 松心会報

【議会会派視察報告】2.上田市役所~「真田丸」誘致作戦について

(1)誘致主体


  1. 平成20年,NHK大河ドラマ誘致に向け、「大河ドラマ実現を願う会」の結成。10年間の活動の中心は市民有志、その中に町内会・自治会、商工会、歴史研究グループ。
  2. 行政は側面支援に徹する。市長のNHK詣と共に上田観光産業振興議員連盟27/議員定数30名によるPR活動。

(2)事業内容

  • 六文銭に因んで、666,666人の署名を目指したが、結果は80万人を超えた。
  • 行政の主な役割は、パーキングの確保、特に観光ルートにそった市内の民間駐車場を指定。上田城に設置の旧市民館の展示場改装。市内の民間駐車場の借り上げ利用は、観光客の市内回流に効果的であった。
  • 運営組織として、企画観光課と共に、実行部隊としてシティ・プロモーション室、大河ドラマ館を新設。庁内の土木、建築、教育委員会等の横断的組織を結集。

    (3)課題

    ブームは2年間で去ることを前提に、「ポスト真田丸」作戦として、今後は、首都圏から1.5時間の優位性を活かす観光政策に力を入れること。
    まず、大河ドラマ館は、大型駐車場に改装し、さらなる観光振興を目指す。ラクビー・ワールドカップの合宿地として手をあげる。
    真田関係の全国の市町村と連携した観光政策に進むこと。
    具体的には、真田家と縁のある全国13市町村と提携し、広域の観光振興を図る。 例“真田街道”で群馬県の沼田市と協議中

    (4)感想

    10年に及ぶ誘致作戦を、用意周到に、民間中心に粘り強く達成したことに感服する。
    真田氏の上田在位は、40年に過ぎなかったが、今回の誘致作戦によって、上田の街並みや駅前の発展があり、真田家に対する市民を挙げての熱い想いが結集されたものと思われる。
    周南市にも、真田の末子伝説の残っており、櫛ヶ浜の情報を伝えた。

  • 【議会会派視察報告】1.伊那市~住民主体の自治会活動について

    (1) 概況

    1. 荒井区は、住民主体の区政116年の歴史を有する。
    2. 伊那市中心市街地に位置する。
    3. 区民数 2,300人  世帯数 1,300世帯  12の町内会

    (2) 事業

    1. 行事件数 64件 (1.2件/週)
      例  行者そば祭り そば発祥の地に因む

    (3) 財務

    1. 独立採算 予算3,000万円
      内訳  テナント収入1,158万円/28年度
    2. 区費  8,000円/年  町内会費 10,000円
      他地区では 山林所有等

    (4)運営組織

    地区下部組織 12町の婦人会・高齢者クラブ・子供会・社協
    区長等3名の役員 2名の専従職員  区長手当 4万円/月

    (5)課題

    1. 駐車場ビル付き8階建て「いなっせ」の減価償却が今後負担になる恐れ。
    2. 会長等の理事任期1年。激務と高齢化で、後任探し難航。

    (6)感想

    地域に根差した伝統ある行事展開や事業運営のため行政から独立した区独自の財産管理・運用が1世紀を超す生活の知恵として息づいている。
    今後、高齢化の中で、行事や<いなっせ>をいかに継承していくかの重い課題が模索されており、コンビナートに依存の周南市とは別の課題解決が求められる。
    なお、信州の名産売り場、温泉、織物体験、グランドゴルフ場等の複合施設には、地元、近隣住民の他、名古屋、東京からの観光客が集まる。
    ふるさと納税額が、市民挙げての紹介作戦が功を奏し、60億円と多額にのぼる。とくに新設の温泉券が人気。
    これまでは、木曽山脈に遮られていたが、権兵衛トンネル
    (全長4,467m)の開通で、木曽と伊那が至近距離となったため、新たな商圏と住民交流の場が発生している。

    がんばれ!道の駅”ソレーネ”

    2017年1月号 松心会報 議会は今!

    ・道の駅ソレーネの駅長の二重在籍問題

    昨年7月の1ヶ月間、初代駅長が埼玉県桶川市の職員とソレーネの駅長を兼務していた件について「処分を含め、1月から3月のうちに判断が示されることに」

    議会への報告を約束された。

    ・道の駅ソレーネ借入金問題

    2,000万円を市中銀行から調達。利息と元本の返済で新たに毎年数百万円の負担増が予想される。

    市・執行部は「ツーリズム協会内の問題」とするが、市から13億円、国から6億円の公金が投入されているソレーネである。

    その現場が明るい雰囲気になっており、市の担当部もよく汗をかいている。現在の欠損が設立時の無理からきているなら、リース代等の立替等、経営・財務面の「手助けがもっとできないものか?」

    2月にバス停オープン。工事が進む

    2月にバス停オープン。工事が進む

    にぎやかなソレーネ周南の店内

    にぎやかなソレーネ周南の店内

    20階・駅前マンション?

    2017年1月号 松心会報 議会は今!

    なるほど駅前の20階建てマンション計画がささやかれている。ホールもホテルも入った設計図が出回っている。

    それなら市が積極的に応援してもいいはずだが、市当局は「市の援助は考えていない。関与せず」という。地権者は「市がやるから」と説明を受けているとのこと?

    駅周辺の整備事業に130億円という数字が出ている。中心市街地の活性化を声高に叫ぶなら、民間の力だけではなく、キチンとした市の関与と市民に対する説明が求められるのではないか?

    市が関与していない?駅前計画の計画書&設計書

    市が関与していない?駅前計画の計画書&設計書

    市が関与していない?駅前計画の計画書&設計書

    市が関与していない?駅前計画の計画書&設計書

    駅ビル・ツタヤに大盤振る舞い

    2017年1月号 松心会報 議会は今!

    ツタヤ図書館

    毎年約1.6億円の指定管理料が駅ビル・ツタヤ図書館に。加えて、いままでに判明分43.5億円。

    その内訳、内装6億円?、ダミー本(表紙だけの張りぼて体裁本)、6万冊の図書購入に2億円、セキュリティ・システム3,300万円等々。

    なぜ市はここまでツタヤに便宜を図るのか?いまや「駅ビル」でなく「ツタヤビル」と言われることになる。

    Tポイントカードの導入も同じこと? 個人情報の拡散にしっかりとした歯止めがかかっていると言えるのか? 12月議会でも疑問の声があがる。

    さらに、ツタヤ図書館は商店街の活性化に資するとある。「年間120万人?の利用者を見込む」と市は発表しているが、その図書館利用者の商店街への回流がはっきりしない。

    それなら「駅ビルを3階建てから4階建てにかえてホテルやホールの併設は?」との議員からの提案にも一考の価値がありそうだが、かわりに市長は「民間でホテル建設の動きもあるやに聞く」からとポロリ。

     

    関連リンク:『文學界』4月号、佐賀県武雄市図書館ほか現場ルポを拝読

    せめて市民館を残しておけば

    2017年1月号 松心会報 議会は今!

    年間15万人の利用があり、文化イベント活動の一大拠点だった市民館を解体。その存続を願う1万4千人の署名に対して、市長は議会(平成25年10月30日)で「ホテルもある」からと言われた。

    解体理由に「新庁舎建設のための資材置き場が必要だから」とも。

    アレッ!資材置き場は?駐車場へ

    アレッ!資材置き場は?駐車場へ

    2017年問題

    2017年1月号 松心会報 議会は今!

    コンビナートに依存の周南市にとって、『2017年問題』は看過できない。

    今年から中国では化学コンビナート60拠点が稼働開始。製品価格が半値となり日本製品の競争力は一気になくなるとの指摘がなされている。

    市当局が率先して、企業への援助を行うと共に市財政自身を打たれ強い体質へ改善すること、また市民の協力を仰ぎ、市民と共にこの難局に立ち向かう準備態勢の確立が求められる。

    このことは、もしもの時の大規模災害対策にも有効策となる。

    大華山から周南コンビナートをのぞむ

    大華山から周南コンビナートをのぞむ

    いまでしょう!大変な時は?

    2017年1月号 松心会報 議会は今!

    12月議会で執行部は「財源不足に見合った国の補助金が出る」から心配ないとの答弁。そうだろうか?

    コンビナート企業の相次ぐ撤退、デパート・ホテルの廃業・縮小、生産人口の減少等で税の大幅な減収、加えて新庁舎(116億円↑)、駅ビル周辺(130億円)、新南陽総合支所、消防署、防災システム等の建設費とその維持管理費で300億円をはるかに超える膨大な支出。財政危機が急激に進む可能性に「心配ない」と言えるのか?

    特に問題は、一時的なものではなく、今後長期に構造的な欠陥体質に陥ることの恐れにある。