Category Archives: 2015 市長選

今回の選挙の争点について

今回の選挙の争点は、市庁舎の建て替えだとメディアが連日報道していますが、私は「新たな徳山駅ビル整備基本構想」についても、もっと市民の皆様に知っていただきたいと思っています。

市庁舎の建て替えについても、徳山駅ビルの整備についても、いずれも業者の選定は1社の随意契約となっており、競争入札にはなっていません。また、その経緯に関する情報など、詳細な情報は公開されていません。

市民の皆様の血税がどのように使われようとしているのか、もっと透明性のある方法を採択すべきだというのが私の主張です。 →市庁舎の建替えについて

建築費の上昇に関する、以下のようなレポートもありますので、ご紹介させて頂きます。

 

 建築費が上昇しているのは、労務費と資材価格の上昇が主な原因で(中略)直近 2013年10月も躯体工事費は前年同月比9.7%上昇しており、建築費は同じく4.1%上昇しています。
円安による輸入材料価格の上昇や土木・建築工事の 増加(後述)等を背景にして、建設資材価格が上昇しています。
(中略)
上述した建築費指数等は建築事業者の原価の水準を示すもので、原価以外の価格構成要素である一般管理費や利潤等は対象に含まれていません。このため、好況下で需給が引き締まると、これらの増大等を通じて建築費が上昇する可能性があります。

建築費の上昇に関する動向 – 都市未来総合研究所(みずほ信託銀行)2014年1~2月
http://www.tmri.co.jp/report_mark…/pdf/market_report1401.pdf

『文學界』4月号、佐賀県武雄市図書館ほか現場ルポを拝読

『文學界』4月号『文學界』4月号、特集「図書館」に異議あり!、与那原恵『民営化』の危険な罠」 佐賀県武雄市図書館ほか現場ルポを拝読。

 

図書館について「民主主義社会に図書館は不可欠な存在」だと再認識すると共に、以下の2点が非常に印象に残っています。

  • スウェーデンでは、地域によって住民が得る情報や図書の質に差があるのは不平等だという考えから、公共図書館は社会保障制度の一環として位置づけられている
  • 公共図書館が需要を優先すると、利用者の水準によっては東京拘置所に類するような図書館になっていくのではないか

周南市立図書館の蔵書を検索してみたところ、周南市立図書館には置いていない雑誌のようですが、皆様にも是非読んで頂きたい内容でした。

 

武雄市図書館については、あれだけ話題になり注目もされ、また県外からの来場者数も増え、近隣の飲食店が潤ったという話もあり、地域として見たときに一概に「悪かった」とは言えないかもしれません。しかし、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が運営する武雄市図書館の「図書館」というものの在り方については疑問が残ります。

 

武雄市図書館では蔦屋書店の占有スペースを確保するために職員事務スペースを大幅に縮小、保管用閉架書庫を廃止。貴重な「郷土資料」であるはずの地域文化雑誌は破棄。かつては持ち込みでお弁当を食べられたカフェラウンジはスターバックスになり、持ち込みのお弁当は館外で食べるよう指示される。館内で飲食できるのはスターバックスの商品のみ。これが、CCCの言う「多機能なスマートフォンのような図書館」なのでしょうか。そもそも、図書館は「多機能なスマートフォン」のような施設であるべきでしょうか。同じ多機能を目指すのであれば、カフェは浦安市立中央図書館の「ひだまりカフェ」のように障がい者雇用を創出できる場にするほうが、市政として有意義であるように思えます。

 

民間に委託すれば経費が削減できる。そう考えた結果が、5億9488万円(前年度は1億4409万円)の図書館費とは困ったものではないでしょうか。

周南市の現在の計画では、指定管理料は推定2~4億円、家賃はタダ、非公表の店舗の収益はCCCの収入となるのに、工事費は市の負担。武雄市図書館の場合、店舗の改装費は当然CCCの負担、家賃は600万円となっています。もし、武雄市図書館を踏襲するのであれば、図書館職員は館長も含めて全員がCCCの契約社員の身分になります。書架案内やリファレンスに加えて、蔦屋書店の販売業務やTSUTAYAの業務をこなすことになります。図書館のカードがTポイントカードになった場合のデータ利用について、CCCは未だに明言を避けています。

 

そんな中で、果たして「図書館の自由に関する宣言」は守られるのでしょうか。市民の「知る権利」は守られるでしょうか、「利用者の秘密」は守られるでしょうか。大人のみならず、子どもたちの情報までもがビッグデータビジネスの餌食になりかねない危険性はないのでしょうか。

委託期間の5年が経ち、CCCが撤退することを決めた場合、図書館システムや建物の改装はどうなるのでしょうか。CCC用にシステムを入れ替えた後にCCCが撤退してしまえば、システム入れ替えまで蓄積された市としての図書館のノウハウやデータはすべて失われてしまうことも起こり得るのではないでしょうか。

 

もし、市民のビックデータと引き換えにTSUTAYAやスターバックスを誘致するのであれば、得をするのは市や市民ではないように思います。

市庁舎の建替えについて

 

●山口県周南市
人口 144,926人
面積 656.32平方キロメートル
○新庁舎の概要
敷地面積:13,172平方メートル
延床面積:23,275.15平方メートル
建物構造:鉄骨鉄筋コンクリート造 地上5階
総事業費:約94億円(旧庁舎解体、外構、備品等を含む)

 

●広島県東広島市
人口 191,342人
面積 635.16平方キロメートル
○新庁舎の概要
敷地面積:2,816平方メートル
延床面積:17,371平方メートル
建物構造:PCaPC造、S造 地上 10 階+塔屋 1 階
総事業費:約54億円

 

●愛知県岡崎市
人口 376,324人
面積 387.24平方キロメートル
○新庁舎の概要
敷地面積:10,961.48平方メートル
延床面積:13,380.73平方メートル
建物構造:鉄骨造一部鉄骨鉄筋コンクリート造 地上7階、地下1階
総事業費:49.51億円(連絡通路整備費:約8億円は含まず)

 

●岡山県井原市
人口 45,835人
面積 243.36平方キロメートル
○新庁舎の概要
敷地面積:6,075.54平方メートル
延床面積:10,210.28平方メートル
建物構造:鉄骨鉄筋コンクリート造・一部鉄骨造 地上5階・塔屋1階建て
総事業費:29.8億円(旧庁舎解体、太陽光発電、外構、備品等を含む)

 

平成21年度新庁舎建設特別委員会行政視察報告 – 東広島市公式ホームページ
http://www.city.higashihiroshima.hiroshima.jp/site/shi-gikai/shisatuhoukoku-shinntyuousyakensetu.html

 

資料はすべて市のホームページで公開されています。

 

周南市庁舎建設基本構想 (概要版) 平成 25 年 3 月
http://www.city.shunan.lg.jp/data/open/cnt/3/10438/1/kihonkosogaiyo.pdf

周南市庁舎建設基本構想 平成 25 年 3 月
http://www.city.shunan.lg.jp/data/open/cnt/3/11651/1/skkeipuropo-betten6.pdf

周南市庁舎建設基本計画
http://www.city.shunan.lg.jp/data/open/cnt/3/11512/1/kihonkeikakuhonpen.pdf

周南市庁舎建設基本計画 資料編 平成 26 年 2 月
http://www.city.shunan.lg.jp/data/open/cnt/3/11512/1/kihonkeikakusiryouhen.pdf

周南市庁舎建設基本構想 (概要版) 平成 25 年 3 月
http://www.city.shunan.lg.jp/data/open/cnt/3/10438/1/kihonkosogaiyo.pdf

新庁舎建設に係る報告書 平成19年11月
http://www.city.shunan.lg.jp/data/open/cnt/3/9753/1/houkokusyo.pdf

 

豊島区新庁舎レポート 豊島区新庁舎レポート
http://www.city.toshima.lg.jp/062/kuse/shisetsu/025671/documents/00_3.pdf

豊島区新庁舎 レ ポ ー ト
https://www.city.toshima.lg.jp/063/kuse/shisetsu/025671/documents/shinchoushareport2seigentsuki_1.pdf

税金使わず新庁舎建設-豊島区の画期的な工夫 | kasiko[カシコ]
http://goo.gl/K4pXpu

市役所の建て替えについて

よく質問をされるのですが、私は市役所の建て替えは反対ではありません。

  1. 「94億円」という金額の根拠が曖昧であること
  2. 金額が大きすぎること
  3. 競争入札ではなく1社のみの随意契約であること
  4. 合併特例債は市庁舎建設のためにある地方債ではないこと

既存の建物の耐震化、あるいは時期をずらす、または豊島区役所のような「稼げる」公共施設を目指すべきだというのが、私の主張です。 →市庁舎の建替えについて

少し前の記事になりますが、資材価格値上げに関する日本経済新聞社の記事がありますのでご紹介致します。

 

 鋼材やセメントなど建設資材の値上げも相次いでいる。震災の復興に加え、マンションやビル向け需要が好調。東京五輪の開催決定で中期的にも底堅い需要が見込めるため、メーカー側は値上げ交渉で強気の姿勢に転じている。資材価格や人件費の上昇はマンションやビルなどの建設単価を押し上げる。
(中略)
東京製鉄の今村清志常務は「インフラ整備などを含めて需要が強い。値上げ局面にあり、全面的に価格を改定する」と説明する。

●建設資材、値上げラッシュ 五輪でメーカー強気:日本経済新聞(2013年9月18日)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDJ1701H_X10C13A9EA2000/